2005/07/02 Sat [長年日記]
リクルートという奇跡
かもめが翔んだ日を読んで、リクルート物に興味が出てきたので読んだ。
著者は現在杉並区の小学校で、民間初の校長として登用された藤原和博氏。日本テレビ「世界一受けたい授業」の講師(先生?)を推薦するVTRで顔を見たことがあるが、文中にあるとおり結構さだまさしさんに似ている。だからなんだということは無いけど…。
リクルートではかなり古株だったらしく、愛社精神が非常に感じられる。内容も個人的な話よりリクルートの沿革を詳細に描いており、成長企業の勢いと停滞を感じられる。藤原氏自身の体験談や、エピソード、成功体験などをもっと盛り込めば、違う価値があったのではないかと。
しかし、残念な事にかもめが翔んだ日を読んだ後に読むと、重複している部分が多く、なおかつ会長も務めた江副氏の前では、営業本部長まで務めた経歴の氏であっても、霞んでしまう。出版時期はこちらが先なので、しょうがない感はあるのだが、当事者に出てこられては本当にしょうがない。
2005/07/07 Thu [長年日記]
口コミ伝染病
第三者による口コミが、最も強力な営業方法というのは、誰もが納得いく話だと思います。その口コミを起こすための実践的なノウハウを紹介するという、画期的な本。
私も自分の購入した物や、サービスをべた褒めし、何故か人に進めている事がよくあります。もちろんキックバックやリベートがあるわけでもなく、人に良い情報を教えたいという欲求があるのでしょう。
しかし、自分の勤務する会社の製品やサービスを、純粋に紹介したいと思う事はそう多くはありません。ダメな商品だからというわけではなく、画期的というほどでもなく、唯一無二でもない。ずば抜けて安かったり、高性能だったり、アフターサービスがすごく良いというわけではないからです。実際、こういった条件が揃っているサービスは殆どありません。
そういった商品やサービスでなくとも「口コミ」を起こすという方法を、具体的に紹介しています。基本軸は、話題に上りやすくする、親近感の持てる情報の提供、紹介しやすくする為のツール、を作ろうといった感じ。これらの事例と、具体的な方法や考察ををいくつか紹介するといった構成です。
著者は頻繁に小冊子をつくるといいとおっしゃっていますが、これも紹介しやすくするためのツールに入るようです。
私は読んでる途中で飽きてしまう所もおおく、またうなずけない所も少なくは無かったのですが、具体的な例をそのまま使うのではなく、応用したり、視点や切り口を学ぶという意味では、考えるきっかけになりますし、具体的方法を紹介しているというだけで、読む価値はあります。
そして、読んでいて飽きのくる所や、うなずけない所もやってみれば何か発見できるのではないかとも思わせてくれる内容です。
2005/07/12 Tue [長年日記]
アマゾンの秘密──世界最大のネット書店はいかに日本で成功したか
書籍のネット販売で有名なアマゾンの、日本語版の立ち上げに関わった著者による立ち上げ記です。
私もアマゾンをよく使いますし、アマゾンで買う場合も、他の書店で買う場合でも、アマゾンのレビューで評判をよく見るので、かなり興味深く読ませていただきました。
今になれば、ネットで書籍を販売しているサイトは非常に沢山あるのですが、私はアマゾン以外で書籍を購入した事がありません。
この本を読むまで、ネットで書籍を販売してる大きな所は、アマゾンとbk1と楽天ぐらいかと思っていたので、調べてみるとあるわあるわで、正直少し驚いたぐらいです。
再販制度による、値段の均一化も原因の大きな所を締めているとは思いますが、他で買おうとまったく思わせないアマゾンの秘密ですから、少なからず期待して読みました。
本書は、日本語版の立ち上げに関するものですが、立ち上げにかかわったといっても著者は少し距離を置いた所にいるような感じで、当時のアマゾン社内の状況を紹介したり、どんな仕事を担当したかという内容になっています。
その為、どんな問題が起きてどう解決したとか、どう判断したといったことより、取材対象を自己としたルポのようなものになっています。いわゆるインサイダー物なのかもしれませんが、トップとの距離が遠いためか「アマゾンの秘密」というタイトルとは裏腹に、余り秘密に感じるような事はありませんでした。
2005/07/15 Fri [長年日記]
テッド・ターナー すすんで「嫌なヤツ」になれ!―CNN革命を起こした男の成功原則
ニュース専門テレビ局CNN等のメディア事業を作ったテッドターナーのサクセス本。 マスコミなどへの発言を裏付けに、事業沿革にあわせてテッドターナーという人物を考察するといった内容。
本を読み進める上で、時系列に沿っていない部分が多く、内容を理解しにくい部分が多い様に感じました。(それを知ってか、最後に年表が入っています)
しかも、時系列に沿わない代わりに、何らかの規則にしたがっているのかといえばそうでもなく、とにかく読みにくいというのが感想です。もしかしたら発言が発表された雑誌や放送の順にクローズアップして、そこから話が膨らんでいるのかもしれませんが。
個人的には雑誌やテレビでの発言は、本質的ではない表層的な内容である事が多く「本人が〇〇と発言したから、〇〇だったんだ」という単純な理解はミスリードだと考えています。そのため、マスコミへの発言を信頼した前提の本作りはあまり意味がないのではないかという考えがついて回りました。
ただ、ターナーの場合は「なんでそんな自分に不利益な事を言うのか?」と第三者は思ってしまうような馬鹿正直な発言(主に失言)が多いので、ターナーは正直者のような気はします。
とはいえ、世間はどういう情報を得て、どのように見られているかといった情報元として、また、ターナーとも著者とも離れた視点として、雑誌等の発言を軸にしたのも悪くは無いとも思えます。
是非読むべき本とは思いませんが、テッドターナーに興味があるなら良い本ではないかと思います。
私としては、信じるか信じないかは読者にまかせて、誰かの主観にそった内容(もちろん取材の上での話ですが)だと、読みやすくて嬉しかったです。
2005/07/21 Thu [長年日記]
金持ち父さん貧乏父さん
お金に関する常識と思い込みを一蹴してくれる本です。
非常に話題になったことのある本なので、読まれた方も多いと思いますが、タイトルは聞いた事あるけど、読んだ事が無いという方は是非読んでみて欲しい。
高い教育を受けたにも関わらず、お金に追われている父と、特に学歴を持たないが自由な時間とお金を手にした友人の父、二人の父から受けた影響を中心に据えて、お金に対する常識と思い込みの間違いを指摘している。
前半部の金持ち父さんとの話は、お金に対する教育が全く学校ではされていない事を明確にし、本当の意味で豊かに生きるにはどうしたら言いか、お金の有効な使い方等を著者が体験した金持ち父さんからの教えを通して、非常に分かりやすくまとめている。
後半は、著者が経験した取引の話や、実際に行動に移せない人の心理、長い目で見た時の物の価値等を延々と披露している。このあたりに来ると、単調で読み応えがなくなってくるが、いわゆる事例公開にあたるものだと思う。
お金の動きは時流を読む事が必要になるので、後半の事例は読んでいて興味がそそられるものではないが、一貫した考え方が貫かれているという点を見落としてはならない。
非常に有名になった本書なので、日本での見方や、不労所得に対する考え方の論議等、色々な情報をウェブ上でも見る事が出来ると思う。否定的な意見も少なく無いと思うが、いずれにしても一度読んでみることをオススメ。
2005/07/25 Mon [長年日記]
金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント
金持ち父さんシリーズの第二弾です。 第一弾の「金持ち父さん貧乏父さん」で書かれている内容の焼き直しです。 第一弾では金持ち父さんの教えを受けたエピソードを書いていたのですが、本書では金持ち父さんの教えを細かく解説しています。
私が読んだ感想は、確かに細かく解説してはいるが、何度も何度も繰り返し同じことを言っており、少ししつこく感じた事もあってか、読んでいる時間が非常に無駄に感じました。著者も書いていてつらかったのではないでしょうか?
随所にゲーム・キャッシュフローや、自分の教育テープを売り込むあたりが下世話で笑えました。あまり厭な感じではありませんでしたが、いかにもコンサルの書いた本という出来にすこし哀愁を感じました。実際コンサルタントをされているので、正しいあり方ではあると思いますが。
本書は金持ち父さん貧乏父さんを読んで、イマイチ理解できなかったという場合には良いと思いますが、そうでなかったのならば特に読む必要は無いと思います。
2005/07/28 Thu [長年日記]
失言する人には理由(わけ)がある
書名の通り、失言についての本で、人の性格や立場などで分類したうえで、失言しやすい状態や、大事にしないための手立て等を考察しています。なかなか読みやすく楽しい本でしたが、真剣に失言癖で悩んでる人にとっては救いにならないと思います。
大事になるにしろ、ならないにしろ、失言はしてしまうもので、生まれてこの方誰ともけんかした事は無いという人は居ないでしょう。その原因の殆どが言う必要の無い事を言ってしまうからです。これがいわゆる失言なのですが、多くの場合は失言を失言として理解していながらも感情が押さえられず、放言するパターンらしいです。
私にも覚えがありますが、言う前から怒ると分かっていても言ってしまうときというのがあります。そのときは怒らせること自体が目的になっているので、手におえないのですが、やはりあとから後悔することが多いですね。
その他のパターンとしては、自覚の無い失言や、自分の立場や場所ををわきまえず失言というものがあります。
自覚の無い失言はある種一番の大罪なのですが、往々にして軽微な物です。軽微だから構わないという問題ではありませんが。
自分の立場や場所ををわきまえず失言というのは、必要悪や、構造的に違反がまかり通っているような場合、場所や立場をわきまえず正直に発言して問題になるケースです。もう、このあたりに行くと常識や、処世術になってくるのですが、正直者や偽善的振舞いに嫌悪を覚える正義感、本音で話してしまう人に多く見られるようです。
究極的に言えば誰でも失言してしまうし、失言を避けることは非常にむずかしいというところに行き着く様です。常に「本音で話さなければOK」と言う事もできますが、それも問題ありですよね。
一応、本書では失言してしまったときの対処や、なるべく事を小さく収める為の対処などが示されています。とはいえ、失言してしまうときの精神状態では、どちらの対処法も実行するのは無理だと感じましたし、冷静に対処できるような状態なら、そもそも失言しないと思うので、これらの対処法はあまり役に立ちつとは思えません。
250ページ近くある割には1時間ちょっとで読める上、内容も納得できる物が多いので、読み応えがありお勧めです。
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