2005/08/02 Tue [長年日記]
アビエイター
ハワードヒューズの半生を描いた映画。
ハワードヒューズといえば、映画製作に巨額をつぎ込み、浮名を流し、飛行機に情熱を注ぐ、潔癖症の偏屈な人というイメージで固まっているが、この映画を見ると、偏見やイメージからは伝わらない、人間味や苦悩が伝わってくる。
ノンフィクション映画としての表現に関しては、私はひとつの作品として見る方なので、製作者が違えば同じ題材でも違う映画が出来ると考えている。
だから、あそこの表現はこうして欲しかったとか、自分の思う大切な所が省略されすぎているとか、CGがドウコウといった事を言いたくは無いのだが、言わせてもらえるなら3時間近い上映時間は長すぎる。
中途半端にしか描けていないキャサリン・ヘップバーンをはじめとした女性関係の描写は、描写手法に凝ってもたかが知れているので、ナレーションや、新聞記事の引用程度に留めて、思い切り省略し、2時間程度のボリュームにしてくれれば中だるみせず、良かったのでは無いかと思う。
非常に面白いと思える本作品ではあるが、ヒューズの半生を詳細に描けているかというとそうではないので、ハワードヒューズに関する本を一冊読んで、彼の人生を大体把握した上で見ると、さらに楽しめると思います。
2005/08/08 Mon [長年日記]
レーシング・ストライプス
シマウマがサラブレッドに交じってレースに出場するという話。ドキュメンタリータッチではなく、動物がしゃべるコメディー系。
話の内容は、設定からわかるようにシマウマが努力と根性で最終的にはサラブレットにも勝つという話。ベタではあるものの、これ系の映画はこれしかないという落ちなので、変に意外性を持たせない本作品は期待を裏切らない秀作だといえる。
はなからストーリーはつかめているので、存分にシマウマをはじめとした動物のかわいさを楽しめれば最高。ものすごく好き嫌いが分かれると思うので、おしなべた評価は意味が無いが、動物系の映画が嫌いでない私からすれば星3つ。
つまらなかったわけでもなければ、格別に面白いわけでもない。不快なシーンがあるわけではないが、大笑いできる部類のコメディーでもない。だけどきっちっとハートフル。
2005/08/23 Tue [長年日記]
当たり前だけどわかっていない経営の教科書―がんばれ社長!
メールマガジン「がんばれ社長!」を書いている、武沢さんの本。
メールマガジンの内容とは打って変わって、組織作りや、マーケティングの基本を論理的に解説している、タイトルに違わぬ経営の教科書といえる。
最近のビジネス系の本は、タイトルで売上が大きく変わるのか、タイトルと内容が余りにかけ離れているものが多いだけに、まともである事に好感を持った。
特に本を執筆するようなコンサルを生業にしている人は、得意分野の主張を繰り返したり、どんな案件でも得意の方法論に当てはめようとするなど、自らの主張の正当性や有効性を説く暗示型が多いのに対し、本書の主張はオーソドックでありながらも普遍的なものが多い様に思う。
本という媒体の性質や、自社製品の性質による物かもしれないが、(メルマガと違って)宣伝なども殆どなく、読んでよかったと思った。
2005/08/31 Wed [長年日記]
ビジョナリー・カンパニー ― 時代を超える生存の原則
永続し繁栄を続ける会社にだけ共通する点を、多くのデータから客観的に見出し紹介した書籍。 世に言われているビジネス・セオリーの真偽を見ることが出来る。
永続的に繁栄している企業18社と、永続的に企業活動を続けているものの繁栄してるとはいえない、または似たような成長曲線を描きながらも中途に置いて衰退してしまった企業18社を比べて、この違いを見出すという手法により36社を紹介している。
内容としては、納得の出来る結論が多かったが、比較というもののむずかしさを感じた事が一番の収穫だったかもしれない。 というのも、導かれる結果は殆どが比較条件から得られるあたりまえの事といえる。
例えば、永続的に繁栄する起業のトップは、自己の成功ではなく、自己の経営する会社の永続的な成功を長期的に考えて指揮をとっているにも関わらず、そうでない経営者は自己の名誉の向上に邁進し後継者を育てたり、長期的に存続できる組織作りに目が向いていない。
この違いから当然前者が永続的に繁栄し、後者がそうはならないのは当たり前のように思える。それと同時に、前者と同じ考えをもちながらも、比べるべくもなく消えていった企業は無かったのだろうか?と思う。(必ずあったはずだ)
そうなると、比較条件をどう定義するかが重要になってくるが、そこは著者等による主観的な物が多く、比較結果の明確な会社同士を意図的に選んだのではないかと勘ぐりたくなる。特に会社の独立性に対するこだわりに関しては、考え方の違いでしかないと思う。
これらの疑問は、殆ど全てのパターンに及ぶ。その原因は、成功した企業と失敗した企業を比べる事には意味が無いので、大成功した企業と、そこそこ成功した企業を比べた事による結果でしかない。
結局私の中では、多くのデータやアンケートから得られた結果も、結局は既にバイアスのかかったデータにすぎないのではという疑問に終始してしまった。なので、結局は大成功した企業の客観的な沿革を詳細に解説した書籍の方が価値があるのではなかろうかと思う。
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