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2008/01/18 Fri [長年日記]

カラフル

カラフル (文春文庫 も 20-1)

罪を犯して死んだ為に輪廻から外れた前世の記憶を持たない魂が、「再び輪廻に加わり転生の機会を得られるという試練への挑戦権」の抽選に当たり、丁度死の淵にある第三者の身体を借りて、前世で自分の犯した罪を探すという試練を強引に受けさせられる事になる。

試練のチャンスを得た物の、転生を望まない魂はおざなりに日々を過ごすのだが、さらに気を滅入らせる事に試練を受ける為に憑依した身体の主である小林真は、パッとしないルックスで頭も良く無く、背も低く、自動的に魂のホストファミリーとなる宿主の家族も、父は利己的、母は不倫をしており、兄は陰険と良い所が無い。さらには想いを寄せる女の子は援助交際をしている、という自身も周囲も嫌悪感以外を感じられない様な環境に絶望し自殺して死の淵に立つ事になった人物であった。

そんな宿主にあきれ、ふて腐れながらも他人の人生と割り切る事で事態を打開したり、誤解を解消していくのだが、他人の普段の生活をなぞっても自身の罪等気付ける訳も無く時間だけが過ぎていく。

ここまでの設定を読んだ時点でページ数にして1/3程度。既に魂の前世の事は罪も状況も環境も読者にはわかるし*1、エンディングまで予想がつく。それでもとてもおもしろいし、教訓に溢れている。とはいえ、やはりどれも体験したく無い内容ではあるが。

児童文学ではあるし、真と同じような年齢の若いうちに読むのが良いのだろうけど、当時の自分だったら素直に教訓を得る事は出来なかったと思う。特別私が偏狭だったというのも否定はしないけど、そう珍しい事でもないと思うので成人した人でも読むと面白いと思う。

*1 この感想程度の紹介でも分かっちゃいますよね。

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うまい建前

伊集院さんの「のはなし」の中に"「警備」の話"というのがあって、入構許可証がないとニッポン放送に入れなくて、いつも警備員さんに止められるという話がある。もちろん顔を覚えられていてもである。

警備員の人はそれが仕事なのだし、報道機関の警備というのはもっと厳重でなければいけないぐらいなので、この話に出てくる警備員さんは大変立派な人なんだけど、タレントに入構証を渡さない理由として「タレントは顔そのものがパスなので入構証など渡すのは失礼」という建前があるらしい。

話の起こりは不文律としか書かれていないのだけど、入構証をタレントに渡さない実際の理由はもちろん警備上の理由だろう。そしてその事は当然タレントも理解しているはず。その上で、理由として「タレントは顔そのものがパスなので入構証など渡すのは失礼」となるのだから当然建前ではある物の、表現として粋だなと思った。

そういう事を言い始めたのが警備側(放送局側)なのかタレント側なのか気になるところではあるけれど、どちらからにしてもなかなか良い話であるなと思う。ただそう思ったというだけの話だし、警備上の理由と言う裏付けも無いのだけれど。

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